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ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

ロンドンの「キライ」 第一弾

ロンドンで住む前から、何十回と仕事でロンドンには来ていた。
特にロンドンに住むことがカッコイイという意識はなく、遊びに行くのと
生活するのは違うんだぞと思い続けてきた。
しかし、それにしても実際に住んでみたロンドンには毎日毎日ことごとく
「イヤなこと日記」が書けそうなほど腹が立った。
(その時「楽天日記」を知っていたら、ネタはそればかりだっただろう。)

めったやたらと爪を噛むいい大人がいかに多いかということには、住んで
すぐに気がついた。
地下鉄で四人掛けの席に座ると、隣りか向かいの席に爪を噛んでいるヤツが
必ずいる。
見かけも普通のサラリーマン風やOL風が決して少なくない。
一見、普通のまともな大人に見える面々が、十本の指をまんべんなく(!)
噛んでいるのには本当に驚く。
指一本分を噛み終わると、当然そこが他より短くなるから、今度は他の指を
噛み始める。
そうして、十本の指の爪がどんどん、どんどん短くなっていくわけだ。
日本ではさすがにああいう大人は見ない。
もちろん、爪を噛む大人が皆無ではないかも知れないけれど、ロンドンの
ように一つの地下鉄の車両で、あそこまでたくさん見るというようなことは
決してなかったと信じている。
ロンドンのドラッグストアや通販のカタログのマニキュアのコーナーには
必ず「爪噛み防止用のマニキュア」を売っている。
非常に気持ち悪い。

そして、その地下鉄。
ロンドンに寄生する種々雑多の人種をざっと眺めると、日本人の体格よりも
日本人でない人たち・東洋人でない人たちの体格のほうが大きいというのは
明らかだ。
しかし、その事実にも関わらずロンドンの地下鉄の車両は新旧を問わず
恐ろしく横幅が狭いのである。
平均的に体格の華奢な日本人を乗せる日本の電車でさえもっと広いのに
もっと狭い電車に毎日乗せられる、もっとでかい人々は「車両を広くしろ」
と怒るべきではないのか?
当然、軌道が狭いから車両の横幅も狭くなってしまうのは仕方が無いのだが
そのためにひとたび車内が混み出すと、通路に立てるのはたった一人だけ
なのである。
日本の電車の通路なら、少なくとも背中合わせに二人は立てる幅はある。
ロンドンの地下鉄では、誰かと背中合わせに立てる通路というのがなく
運がよければ一人が立てる程度だ。
それでなくても、でかい人たちの集団で成り立つこの土地で、日本の半分
くらいしかない車両の幅で立っている人間・・・それでもまあ、どちらかの窓の
方向にでも向いてくれていればましだが、立っている人の中には、必ず
(奥へ移動しようとする人の妨げになるような形で)立ちはだかっている
奴がいる。
こういう奴が新聞を広げたり(注.ロンドンでは新聞を折って読むような
遠慮は見たことがない)、でかいハードカバーの分厚い本とがっぷり四つに
組んでいる中で、小さな日本人が通勤するのは、日本とはまた別の種類の
通勤ストレスになる。

この際だから言わせてもらえば、地下鉄に乗って腹の立つことリストを作る
なら、あれもこれも書き足してやりたくなるなぁ。
まず、車内の腰掛け部分ののつくり。
椅子に座ると、地面に落ちる膝から下というものは、直角よりもいくぶん
鋭角に落ちるのが人体の作りである。
日本の電車の椅子部分というのは、膝から下が引っ込められるよう、座席の
下は逆L字型にくりぬかれている。
すると、かかと部分ができるだけお尻の下あたりまで引っ込められるから
足先の露出は少なくなる。
爪先を踏まれる可能性は極めて低くなる。
と、ここまで言えば、当然ロンドンではそうではない。
地下鉄の車両の椅子にはなんの工夫もない。
実際にお尻を乗せる部分から車両の地面にかけて、を断面図にしてみると
素晴らしい直角、つまり「箱の上に腰掛け」状態である。
そのため、膝は直角に落ちるのみで、靴をはいた足の部分は、かかとから
爪先までがすべて無防備にさらされる。
自分の前に、ウェザーガールズのような人たちが立ったなら、揺れた瞬間に
いつ踏まれないかとはらはらする。
日本の通勤電車のように、おちおち目的地まで惰眠をむさぼるというわけに
いかないのである。
そう言えば、地下鉄で鼻ちょうちんで寝ている人の数が日本より断然少ない
のはそれも原因の一つなのだろうかと、ふと思う。




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